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本について/読書について

震災から

shinsaibooks2020
左:「瓦礫から本を生む」  土方正志・著 (河出文庫)
右:「震災後の不思議な話 三陸の<怪談> 文庫版」  宇田川敬介・著 (飛鳥新社)

この3月で震災から9年。

このような、コロナウィルスへの警戒態勢の中で
3月11日を迎えることになるとは思いませんでした。

感染拡大を少しでも抑制するために奔走している方々、
医療従事者の方々、お薬の開発研究をされている方々などの皆さまに
心から感謝を申し上げます。
世界中の人の命が、1人でも多く助かりますように!!!!!

せっかく震災で命が助かったのに、まだ復興途上の東北で
この上、コロナウィルス感染で重症の人が増えでもしたら
本当に悔しく悲しく 取り返しがつかないことになるので
感染予防対策や、不要不急の外出自粛など、できる限りがんばっていきましょう!!

私は、東北の人間。「自粛」なんて平気です。
震災発生当時に比べたら、電気ガス水道が普通に使えるし、ネット環境も大丈夫だし、スーパーも開いています。
あの頃は、ウイルスと同じく目に見えない、放射性物質も飛散していました。
放射性物質も怖いけれど、このウィルスの怖さは別のところにありますよね。
だからとにかく、感染を広げないように気を付けて おとなしく暮らすのみ。

旅行もレジャーもイベントも、何年も我慢させられるわけではないのだから
少しの工夫をしたり、行動を変えて、一日でも早く収束させられるよう
1人1人が動く(今回の場合、動かない??)べきだと思います。

ウイルスの話が長くなりそうなので、この辺で本のことを・・・

今年の3.11に向けて読んでいた2冊です。

仙台にある出版社「荒蝦夷(あらえみし)」代表の土方正志さんの「被災地」への想い。
ジャーナリストの宇田川敬介さんが、津波の被災地で聞いた”不思議な”話の数々。

私は、内陸の山の方に住む人間なので、ほんとうに大変な被災はしていません。
毎年必ず震災関連の本を読んで、忘れないようにしていきます。

でも、読んでいるとどうしても泣けてしまいますね。
今は、外出時や職場でもマスクをしているので、バスの中などで思わず涙が流れても、
他人にバレないので良かったです。。。

「瓦礫から本を生む」は、実は表紙の写真も好きで購入しました。
以前、地元の新聞「河北新報」の記事に掲載されていました。
何かの賞を受賞した写真ということ、
河北新報の記者さん撮影の、震災後に生まれた子ども達だということ、
そして、撮影した記者さんが、その後 若くしてお亡くなりになったこと…を覚えていて
とても強く印象に残っていました。
いい写真ですよね。
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「ディオゲネス変奏曲( 第歐根尼變奏曲 )」

thediogenesvariations
ディオゲネス変奏曲( 原題表記:第歐根尼變奏曲)
陳 浩基(ちん こうき、サイモン・チェン)/著 稲村文吾/訳
(ハヤカワ・ポケットミステリ)

一昨年に参加した読書会の課題書として読んだ
陳 浩基の「13・67」に衝撃を受け、
ぜひ、ジョン・ウー監督で映画化を!と思ったことはさておき…
年明けに書店をぶらぶらしていたところ
この特徴的な装丁が目に飛び込んできました。

手に取ってよく見たら、
あ、あの「13・67」の作家さんの短編集なんだ~!というわけで、
ほぼジャケ買いであります。

例のごとく、ミステリなので内容については書きません。
ですが、この短編集、内容盛りだくさんで大満足!ということだけは
声を大にしてお伝えします!
”変奏曲”というだけあって、作品のバリエーションの豊かさ、
そして著者自らがセレクトしたクラシックの曲と、作品解説も一緒に楽しめるときたら、
これは読むしかありません。

それにしても、「華文(中国語)ミステリ」に
まるで興味のなかった私に、読むきっかけをくれた読書会やFさんに
感謝です。

米澤穂信を読みました

yonezawa202003
インシテミル (文春文庫)
追想五断章 (集英社文庫)
満願 (新潮文庫)      / 米澤穂信 著

コロナウィルスの件で 大変な時期ですが
家にいる時間が長くなり、いつもよりたくさん本が読めるのは
私にとって嬉しいことです。

というわけで、これから何回かの更新は、このところ読んだ本のことを書こうかなと思います。

さて、今日は、米澤穂信作品との出会いについて。

この3冊を読んだのは1月のことなので
まだコロナの件も今ほど深刻ではなかったことを思うと、
ほんの2ヵ月前のことなのに、あの頃はよかった・・・と懐かしんでしまいそうです。

1月初旬に、ミステリ好きが集まった新年会があったのですが
その席で、 Yさんという方より
「インシテミル」と「追想五断章」の2冊をいただきました。
以前から 「米澤穂信、面白いですよ!」と熱く語っていたYさん、
彼の言葉に間違いはありませんでした。

読むのが遅い私が、1週間経たずに2冊読み終えてしまい、
すぐに書店で「満願」を購入して読み終えた上、
読書好きな父親にも薦めてしまったほどです。

ミステリなので、内容は語りませんが、3冊とも、まるで違ったタイプ。
「満願」のみ短編集です。

3冊ともとても面白かったのですが、
一番私の心に残ったのは、「追想五断章」です。
ミステリとしてすごいな、と思ったのはもちろんですが、もうひとつ
私は、読んでいるあいだ中、なんとも言えない懐かしさに似た感覚がずっとあって不思議だったのです。
読み終えてよく考えたらそれは、この作品の年代設定にあるのかなと思いました。
私自身も、主人公と大きく変わらない年齢で生きた、昭和の末頃~平成の、あの雰囲気が
ミステリの中に封じ込められているようでした。

Yさんどうもありがとう。
まだ他の作品も読んでみようと思っています。

「ことり」

kotoriogawa
ことり
小川洋子・著(朝日文庫)

小川洋子さんの作品を読むときはいつも、
どれもが特別 と思って、静かに丁寧に読み進みます。

なぜかというと、小川さんは
とても小さなものや、よく見ないと分からないもの
耳を澄まさないと かき消されてしまう音や言葉、世界の片隅にひっそりと暮らす人々、
うっかりしていると私たちが気付かずに
無視したり 通り過ぎたり 落っことしたり 踏みつけたり してしまうようなことを
静かに、丁寧に書いていらっしゃるからです。

「ことり」。

きっと、小川さんが書いてくださらなかったら、
”小鳥の小父さん”のことを
みんなが忘れてしまったことでしょう。

誰かに気づかせてもらわない限り、
人々は大事なことをすぐに忘れて次、次と
ずんずん進んで行ってしまうようです。

今回も、小川さんが「これ、落としましたよ」と
大切なものを拾って届けてくださったような
気がしました。

クリスマスにはクリスマスストーリーを

2017christmasbook
「クリスマスの朝に ~キャンピオン氏の事件簿Ⅲ」
マージェリー・アリンガム/著 猪俣美江子/訳  (創元推理文庫)

ON CHRISTMAS DAY IN THE MORNING AND OTHER WRITINGS
by Margery Allingham

昨日のクリスマス当日は、
あいにくの強風と ちらつく冷たい雪のおかげで
仕事帰り お茶を片手に本を読み終えたいと
カフェを目指して歩く間に
すっかり凍えてしまいました。

(カフェのドアを開けた瞬間、眼鏡が真っ白に曇ってしまい・・・恥ずかしかった。。。)

クリスマスには、クリスマスを舞台にした物語を読むと決めていて
(ミステリ好きなので、大概ミステリです)
今年はこの1冊にしました。

しかしながら、タイトルになっている「クリスマスの朝に」の前に収録されているのは、
「今は亡き豚野郎の事件」・・・
”豚野郎(ピッグ)”って・・・すごいタイトル(笑)

こちらは、クリスマス時期のお話ではありません。
のどかな土地で起こった殺人事件。
”豚野郎”というタイトルと、最後に明らかになる狂気が印象に残りますが
やはり優雅で詩的な英国ミステリの雰囲気は魅力的でした。

そして「クリスマスの朝に」
”豚野郎”の事件が起こった、同じ地域で 十年以上あとに起きた
クリスマスの朝の事件を描いています。
少し切なく、思いやりにあふれたラストに、
ちょうどカフェで流れていたクリスマス・キャロルの一曲が重なりました。

最後には、アガサ・クリスティーによる
著者マージェリー・アリンガムへの追悼文も
掲載されています。

クリスマスが過ぎると、もう年末!当たり前ですが・・・
なんだか追い立てられるような日々ですが
皆さまどうぞ良いお年をお迎えください。