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「ことり」

kotoriogawa
ことり
小川洋子・著(朝日文庫)

小川洋子さんの作品を読むときはいつも、
どれもが特別 と思って、静かに丁寧に読み進みます。

なぜかというと、小川さんは
とても小さなものや、よく見ないと分からないもの
耳を澄まさないと かき消されてしまう音や言葉、世界の片隅にひっそりと暮らす人々、
うっかりしていると私たちが気付かずに
無視したり 通り過ぎたり 落っことしたり 踏みつけたり してしまうようなことを
静かに、丁寧に書いていらっしゃるからです。

「ことり」。

きっと、小川さんが書いてくださらなかったら、
”小鳥の小父さん”のことを
みんなが忘れてしまったことでしょう。

誰かに気づかせてもらわない限り、
人々は大事なことをすぐに忘れて次、次と
ずんずん進んで行ってしまうようです。

今回も、小川さんが「これ、落としましたよ」と
大切なものを拾って届けてくださったような
気がしました。
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